WASABI Cloud NASの検証(~2023年11月21日)

Wasabi Cloud NASの動作概要

【目的】

・オンプレミスでファイルサーバーまたはNASをご利用で、冗長化構成がとられていないお客様へ運用中の本体が故障した場合にダウンタイム無しで業務を継続していただきたい

・オンプレミスでファイルサーバーまたはNASをご利用で、ハードウェア保守の期限によるハードウェアリプレース、または空き容量不足が発生した場合に業務へ支障なく運用していただきたい


【検証および注意点】

1.Windowsサーバーの機能のシャドウコピーとスタブ化の動作タイミングによる問題は無いか

2.ファイルやフォルダに設定されたセキュリティ権限が同期されるか

3.どのように新規サーバーを導入して、運用を開始する事ができるか


【出来上がった環境】

1.ファイルサーバー上の全てのファイルをクラウド上のWASABIのバケット上に指定した間隔で自動的に定期的に保存している

2.ファイルサーバー上の全てのファイルで指定した期間、利用していないファイルはスタブ化し容量を確保している(空き領域を確保する)

3.ファイルサーバー上でファイル削除した場合にWASABI上のバケットにファイルが残る現象が発生したが、WASABIサポートの調査により、ゴミ箱とも連携している事が判明した(ローカルファイル削除の場合のみ)

4.実行可能ファイルが指定期間が経過してもスタブ化されない現象を確認したが、WASABIサポートの調査により、レジストリで一部ファイルをスタブ化から除外している事が判明(exe,msi.dll等が除外)

5.ファイル、フォルダのセキュリティ権限は(指定すれば)同期される為、運用管理が非常に楽だと思われる

6.新規でファイルサーバーを構築した場合にWASABIと同期したファイルのフォルダ共有は手動で実施する必要がある(GPOで可能かもしれないが検証はしない)

7.複数のファイルサーバーを運用しても数分間隔(指定時間)で全てのサーバーのファイル同期の設定が可能


【感想及び注意点】

1.「スタブ化の指定時間」が「シャドウコピーの時間」を経過しない場合にスタブがシャドウコピーで保管されてしまうので、シャドウコピーを利用する場合は考慮が必要

2.この環境ができてしまうと毎月の費用は発生するが、ハードウェア故障、リプレース等で業務の通常運用にほぼ影響を出さないので、月額費用を安価に抑えれば導入ハードルは低いのではないか

3.オンプレミスのファイルサーバーの冗長化構成を考えた場合に通常は運用中のサーバーと同等性能、同等容量または将来のデータ増加を考慮する事が必要、またサーバーシステムを止めない為にRaid1以上の構成が必要と考えていたが、壊れても良いサーバーを複数構築して可用性を高める構成も可能ではないか

4.WASABIにファイル改ざんの対策機能もあるが月々の費用が増加すると想定される為、バックアップシステムは別に構築するべきと考える

5.既にBCP対策でクラウドへバックアップを行っているお客様へBCP対策兼冗長化を高める構成でご提案・構築しても月々の費用の増加はホボ無いと考えられる

6.月額使用料の他にダウンロード料金がかからないので安心して利用できる